この世界の片隅に


2009年8月16日


こうの史代『この世界の片隅に』双葉社(上・中・下巻とも各648円)を読みました。

何度も読み返しています。


こうのさんの作品には、数々の賞を受賞した『夕凪の街 桜の国』があります。


広島で被爆した女性と家族のその後を静かに追っていったものですが、

『この世界の片隅に』も、戦中の広島や呉で暮らす人々を描いています。


戦争をテーマにしているといっても、悲惨さをクローズアップしたものではありません。


日々の営みや人の心の動きに寄り添い、そっと見守るような描き方がなされています。

それがかえってせつなく、胸にじわじわと染みてくるのです。


生きることに焦点を合わせると、命のはかなさ、尊さは戦争に限らないと思えます。


明日も生きていられるかどうかは、だれにもわかりません。


だからこそ、出会えた人、近くにいる人を大切に思い、日々を精一杯生きていく。

これはいつの世も、変わらないことなのでしょう。


静かに、かつ、深く強く描き込まれた骨太の作品です。

ぜひ、一読を。

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katuo,ari sasaki