ぐみの実とおじいさんの山


2009年6月9日


ぐみの実がなっているのを見つけました。


「これ、食べられるんだよ」と、息子とその友だちに教えて口に入れると、

まだ熟れきってなかったらしく、えぐみで舌がビリビリしました。


息子たちはあわてて「ぺっぺ」と吐き出し、口直しにお茶をぐびぐび。

ま、なにごとも経験です。


私が初めて、ぐみの実を食べたのは、小学3年生の頃。


新興住宅地の真ん中に残された、里山でのことでした。

その山を所有しているおじいさんが、この実が食べられることを教えてくれたのです。


本来なら、勝手に入ってはいけない土地だったのですが、そこは子どものこと。

大人が入らないことがかえって魅力となり、

しょっちゅう立ち入っては、遊んでいました。


山の中には野良仕事の休憩小屋があり、私はそこで、おじいさんと出逢ったのです。

どんなことを話したのかは覚えていませんが、

夕陽を背にしたおじいさんの姿が焼き付いています。


やがて、私が中学生になった頃、その山は鉄線が張り巡らされて入れなくなりました。

聞いた話では、所有者であったおじいさんが亡くなったということです。

数年後、山はなくなり、跡地にはマンションが建ちました。


景色は大きく変わりましたが、今でも、私にとってあの土地は「おじいさんの山」なのです。



katuo,ari sasaki