展覧会日和


2016年9月30日


東京藝術大学大学美術館で開催中の「驚きの明治工藝」展に行ってきました。


私は学生のとき、江戸から明治期にかけて活躍した漆工家であり絵師だった

柴田是真を調べていたこともあり、この頃の工芸品に思い入れがあります。


江戸時代、幕府や大名家のもとで工芸品を作っていた工人が、

明治に入ると後ろ盾をなくし、

国家の殖産興業政策のもと、

内国博覧会や万国博覧会に出品する作品を作るようになります。


日本の輸出品として、海外の人々にうけるものをという目的が示され、

工人たちは持てる技術を注いで、それまでにはないものを生み出していくのです。


私が学生の頃、博覧会用の作品は、今ほど評価されていませんでした。


ですが私は、

世の中が大きく変わったとき、工人たちはどんな思いでいたのだろうと想像して、少しせつなく、それでいて、新たな創作に挑む姿にかっこよさを感じていました。


今回の展示では、優れた技巧に目を見張りました。

なかでも、本物にしか見えなかったのは、木工芸。

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宮本理三郎の「春日 竹に蜥蜴」。これは明治ではなく、昭和期の作品だそうです。

竹もトカゲも、木を削って彩色したものなんですって。

すごい〜。



藝大の後は、国際こども図書館に、立ち寄りました。


「児童書ギャラリー」には、日本の絵本史と児童文学史が展示されていて、

明治から現代までの子どもの本の歩みが、ざっと、わかるようになっていました。


展示の中で印象に残ったのは、戦中の児童文学を紹介する棚。


1938(昭和13)年、一種の言論統制である、内務省の「児童読み物改善に関する指示要綱」が発表された。

一時的に、芸術的な児童文学が復興する現象が起きたが、
一方で、作家たちは戦争協力の体制を強めていき、
戦中は子どもたちを戦争へと追い込む作品が数多く書かれた。


といった説明がなされていました。


いうまでもなく、こんなことは繰り返したくないです。

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館内の吹き抜けの階段。すてきでした。


katuo,ari sasaki