自信を希望に


2011年12月2日


このごろ、電車がよく停まります。案内によれば、人身事故です。電車に乗っている人たちは、やれやれという顔になります。私も急いでいる時は、こまったなという気持ちになります。


でも、ふと、思うのです。その人は助かったのだろうかと。「事故」と説明されるけど、もしも、その人が選んだものであれば、なぜ、それを選ばなければならなかったのだろうと。

人それぞれ背負っているものが違いますから、単純になんとかならなかったのかと、問いかけることはできません。

ただ、ひとつの希望も持てないぐらいに追い込まれてしまったのかと、残念に思うのです。

再話の仕事で『オズの魔法使い』を読み返しました。竜巻により、オズの国にやってきてしまったドロシーが家に帰るために、オズの大王にお願いしに行く途中、同じく頼み事のある者達と出会い、いっしょに旅をするという物語です。

かかしは脳みそを、ブリキのきこりはハートを、おくびょうなライオンは勇気をもらえるよう、オズ大王に頼みます。

それらの願いを、オズはかなえてくれるのですが、実際はウソ。まやかしのものを与えられるだけです。

というのも、それで十分だったのです。もともと、かかしは知恵をブリキのきこりは、相手を思いやる優しい心をおくびょうなライオンは、仲間を守るために敵に立ち向かう勇気をもっていたのですから。 

つまり、足りなかったのは、自分を信じる気持ち。自分はこんなもんだと決めつけて、もっている力に自信が持てなかっただけなんですね。

私には叶えたい夢があります。読んだだれかが、明日もがんばろうって思える。そんな物語を書きたいと思っています。時々、そんな才能なんか、ないんじゃないかと、ゆらぐ時もあります。でも、自分が信じなきゃ、だれが信じるというのでしょう。

これまで、身近な人たちを何人か見送ってきて、実感していることがあります。命は年齢では決まらないのです。そして、また能力も年齢では決まりません。2歳でも、99歳でも、発した言葉がだれかの心の支えになることがあるのです。

私はいつ死ぬか、わかりません。明日、命が尽きてしまうかもしれません。だからこそ、命が尽きるその時まで、精一杯、生きたい。できれば、だれかに希望の種を届けたいと思っています。

もし、あなたが元気になれない状況にあるのなら、休む勇気を持ってもらいたい。あなたが持っている力を発揮するためには、休みと、好きなことをする時間がまた大切です。


年末年始。心が弱っている時はひときわ日常が厳しく感じられることでしょう。でも、まだまだ、これからだって。自分はだれかに希望を届けることができるって。そう信じて、明日も生きていきましょう。

だって、本当にあなたの力は大きいのですから。

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katuo,ari sasaki