脱走ペンギンを追いかけて


『脱走ペンギンを追いかけて』

山本省三/作 コマツシンヤ/絵 (佼成出版社) 1300円+税

pengun


水族館から脱走したペンギンの話をもとにした、フィクション。


小笠原諸島の父島から東京に引っ越してきた広太は、

クラスに馴染めず、ひとりでいる時間が多くなる。


そんなとき、水族館からペンギンが脱走したというニュースを知る。

場所は、広太の家から近い。

広太はペンギンについて調べるうちに、ペンギンを探そうと思い立つ。

やがて、一緒にペンギンを探す友だちもできて……。



ペンギンがどういう生き物なのかがわかるにつれて、

広太はたった一羽で生きるペンギンに、思いを寄せていきます。


「ぼくと広太みたいに、あまり集団向きじゃないやつだったのかもな」

という言葉に、はっとする読者もいることでしょう。


脱走したペンギンに明らかな天敵はいなくても、

危険がないわけではないし、エサをとる難題もあります。


人間もしかり。

命の危険がなかったとしても、毎日をのどかに暮らせるわけではないんですよね。


友だちとの距離感はむずかしいし、

なにかと優劣がつくので、気持ちがささくれだつこともあるでしょう。


脱走したペンギンとリンクするように、

広太も様々な問題にぶつかりながら、少しずつ成長していきます。


この構成、うまいなあ〜と、うなりました。


爽やかな友情物語です。






















ari sasaki