天国にとどけ! ホームラン


『天国にとどけ! ホームラン 

 3・11を乗り越えて、バッティングセンターを作った父子の物語』

文/漆原智良  絵/羽尻利門 (小学館)1400円+税

homerun


東日本大震災の津波で、大事な家族、店、自宅を失った

千葉清英さんと瑛太くん父子が、夢を実現するまでを描いたノンフィクション。


津波に飲まれながらも生き抜いた清英さんの体験、

家族に会えない時間、そして安置所のシーン……。

過酷な現実に、読むだけでふるえました。


こんなことがあって、心がつぶれないわけがない。

私の想像など追いつかない、大きな苦しみがあったことでしょう。

けれども、父と息子は互いを思い、自らを奮い立たせます。


野球好きな父子が目指したのは、地元の気仙沼にバッティングセンターを作ること。

できることを一つずつやって夢に向かっていく様子に、胸が熱くなりました。


清英さんは瑛太くんのために、

瑛太くんは清英さんや、野球をしたいという友だちみんなのために。

互いを思い、仲間を思う気持ちが、まわりの人々の心をも動かしていくのです。


だれかを思う気持ちは、なんと強い力になることか。

使い古された言葉ではありますが、

やはり、夢は生きる支えになるのです。


今度はこのノンフィクションが、

多くの人にとっての希望になると思います。

















ari sasaki