アサギをよぶ声 そして時は来た


『アサギをよぶ声 そして時は来た』

森川成美/作 スカイエマ/絵 (偕成社)1400円+税

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「アサギ」シリーズの完結編。


行方不明になったサコねえ、アサギに弓を教えてくれたハヤ、

そして同年代のタケが、とが村に捕らわれているとわかったものの、

どうやって助けたらいいのか、見当もつかないアサギ。


それでも、アサギはハヤに教わった「モノノミカタ」で状況を冷静に判断し、

今なすべきことを実行していく。


アサギの生い立ち、亡くなった父やハヤの生き方、

村という組織を継続させるためのしくみ、

ほかの村との政治的、物理的な争い……。


いくつもの層が長い年月をかけて動き、

アサギの人生に交差していく様が克明に描かれていきます。


ここに至るまで、あらゆる人々の思いがあり、

一面で見れば、悪人のような立ち位置の者であっても、

ちがう面から見れば、多数を守るにはそうするしかなかった背景も見えてきて、

現代と同じく、混沌とした世の構造を感じました。


アサギはつらい別れと同時に、託された思いをひとり胸にしまい、

人々の先頭に立ちます。

自分の役目をしっかり果たそうとする姿は気高く、

その覚悟に人々が突き動かされていくのです。


登場人物それぞれの人生が折り重なってくるだけに、

さくっと語ることはできません。


とにもかくにも、厚みのある物語です。


















ari sasaki