アサギをよぶ声 新たな旅立ち


『アサギをよぶ声 新たな旅立ち』

森川成美 作  スカイエマ 絵 (偕成社)1400円+税

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村の人々からどこか白い目で見られ、避けられてきたアサギ。

戦士になるため弓の競い合いに出て勝つが、

戦士になることは許されず、長老より女屋に行けと、命じられる。


希望は叶わなかったが、自分をとりまく空気を変えたことで、

(なにもないところからはじめることのできる自分の力を信じる)

と、前を向く。


その続きが、本書。

必要なものを他の村と物々交換していたこの時代、

村人の健康を保つために欠かせない塩を得るには、

村の娘達が女屋で必要な数だけ布を織らなければならなかった。


アサギも女屋で寝泊まりして布を織っていたが、

あるとき、共に女屋で暮らしていたサコねえがいなくなる。

「山神にとってゆかれたのだ」

と、村人は片づけたが、アサギは納得できない。

村近くの山で見かけた男が関係しているのではないかと、思案をめぐらし……。


闇に包まれる夜、古代の村の風俗、神事。

なにか大事なことを隠すような、あやしげな人の動き。

リアルな世界とミステリに、ゾクゾクしました。


塩をめぐって争いが起きたという古代の史実など、

作者がどれだけ資料をひもとき、この世界を創り上げたのだろうかと思いながら、

同時に、アサギのかっこよさに、ほれぼれしながら、読みました。


他人に決められた囲いを破り、自分で未来を切り拓いていくところや、

一人で覚悟を決めて危険をかいくぐっていくところがたまりません。


さて、この先、どうなっていくんでしょう。


3巻の発刊が待ち遠しいです。

















ari sasaki