いとをかし!百人一首3


『いとをかし! 百人一首3 天才・蟬丸がやってきた』

光丘真理/作 甘塩コメコ/絵(集英社みらい文庫)630円


シリーズ3巻目。

今回は、スズとナリが百人一首の詠まれた時代へ行くだけでなく、

詠んだ歌人がこちらにやってきてしまうという、おどろきの展開が繰り広げられる!


いつもはツンツンしているカコ先輩が、謎の歌人に恋をしてしまったり、

カコ先輩の乱入で過去と今を結ぶ“とき道”が閉ざされてしまったりと、

いくつもハプニングが起きる。


ハプニングにてんやわんやしつつも歌の意味が明かされると、

胸にじわじわ〜っと染みてくる。

この緩急で、一気に読み終えてしまった。


「逢ひ見ての のちの心に くらぶれば 昔はものを 思はざりけり」

の意味から、遠い昔を思い出して共感したり。


この世は無常だからこそ、変わらないものを求めるという歌が

どんな人生から生まれたのかを知って、しんみりしたり。


エンタメのおもしろさ、勢いある展開のなかに、

人生の深さが垣間見えるところが、このシリーズのすごいところだと思う。


ラストは百人一首の世界の案内役である定家じいちゃんの謎に迫る?

というシーンで終わっていて、大詰めにさしかかってきたことを示唆している。


いったい、これからどうなるのか。

次巻の発刊が待ち遠しい。



ari sasaki