おしいれの ひとりぼっちおばけ


『おしいれの ひとりぼっちおばけ』

戸田和代・作 鈴木アツコ・絵 (岩崎書店) 1100円+税

oshiire

「はじめてよむ こわ〜い話」全10巻のうちの5巻目。


雨がしとしと降る日、たらちゃんが家に帰ると、だれもいませんでした。

台所にもトイレにもベランダにも、お母さんはいません。


おしいれのすきまから、お母さんのエプロンのひもが出ています。

お母さんがかくれているんだと思ったたらちゃんは、ひもをひっぱって……。


本書を読んで、

そういえば、おしいれの手前にあるものはよく使っても、

奥にはなにが入っているのか、忘れていると、気がつきました。


忘れられてしまったほうは、どう思っているのだろう?


そんな視点で、物語は展開します。


こわ〜い、おばけも出てきますが、

おばけの気持ちになると、せつなくなります。


大好きな人を慕う気持ちって、ともすると、怨念に変わってしまうんですね。


「つくも神」を生み出した日本人の精神が根っこにある物語です。















ari sasaki