亡霊クラブ 怪の教室 悲しみのそのさき


『亡霊クラブ 怪の教室 悲しみのそのさき』

作 麻生かづこ 絵 COMTA  (ポプラ社)650円+税

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 悲しみやさびしさ、孤独といったマイナスの気持ちが集まってくるのが「怪の教室」。

一度おとずれたら、もとの世界へは戻れない——(本書より)


さて、今回はどんな子が怪の教室を訪れることになるのでしょう。


シリーズ3段目の今回は、学校のきもだめし大会が鍵になります。

登場する子は、どこにでもいる普通の子。

友だち関係に悩み、傷つき、ときにはひがんだり、ねたんだり。

ごくあたりまえの感情を持っています。


確かにこういう状況なら、こんな気持ちになるかも。

私だって、こういう気持ちになったことがある。

リアルな心理描写に引き込まれ、主人公と自分を切り離すことができなくなります。

それだけに希望ある結末を求めてしまうのですが、その期待は裏切られることに。


ちらりとでも悪意を抱いた報いなのか、

自分の思いこみに入りすぎたせいなのか。


いや、怪の教室に来れたことが救いなのかも。

でも、やり直す機会も欲しい。


などなど、読んだ後も考えさせられます。


同時に、読んだ後まで感情を引っ張るという筆力に、すごいなあと、感嘆しました。


あえて後味の悪さを残す作品は、一般書にはしばしば見られますが、

読後感の良さを求める児童書では、少ないと思います。


読み手によって評価の分かれるところでしょうが、

まちがいなく記憶に残る作品だと思います。

ari sasaki