ぼくと戦争の物語


『ぼくと戦争の物語』

漆原智良・作 山中桃子・絵 (フレーベル館) 1200円+税

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本書は、子どもたちが体験した戦争を描いた物語です。


心平は小学4年生になって、学校の様子が変わってきたのを感じました。

学校でも軍隊と同じような指導が行われ、一人でも規律が乱れれば、連帯責任として班員全員が罰を受けるようになったのです。

それでも、この頃はまだ、放課後に友だちとメンコやチャンバラなどをして、遊ぶことができました。


しかし、戦争の激化にともない、昭和19年、小学3年〜6年生は田舎へ疎開することになりました。

心平は家族から離れてひとり、福島の祖母の家に疎開します。


思いもよらなかった試練が次々に押し寄せてくるなか、

心平はまわりの人を思いやり、成長していきます。


いえ、成長せざるを得なかったのです。

戦争が、子どもらしくいることを許してくれなかったのです。


あらゆることを一人で受け止め、生きていかなければならない。

そんな子どもたちが、戦時下ではどれほど多くいたことでしょう。


「お国のために」「玉砕」なんて言葉で、戦争を美化してはいけないのです。


心平のこれからが喜びに満ちたものであるように、

やがて成長して、あたたかい家庭を築けるように、

これからの子どもたちがこんな体験をしないですむようにと、

祈る思いで読み終えました。




ari sasaki