子リスのカリンとキッコ


『子リスの カリンとキッコ』

金治直美/作 はやしますみ/絵 (佼成出版社 1300円+税)

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町中の自然動物園で暮らす、リスの子どもたち。


リスのおばあちゃんから、「外の森」生まれのリスの話を聞きます。

そのリスは、赤松という高い木に住み、

世界で一番おいしい赤松の木の実を食べていたというのです。


リスの子たちは、赤松の木の実と、外の森に憧れるようになります。

ある日、うまく外へ脱出することに成功して……。


読むうちにわかるリスの生態も新鮮ですが、

リス目線で描かれる町も、新鮮です。

動物園育ちの子リスたちにとっては、犬もネコも、車も初めて見るもの。

次々に襲いかかってくる危険、

助けてくれるもの、

ハラハラして、ほっとして、ほんわかしてと、

読むほうの気持ちも忙しく変わります。


ラスト、子リスたちがそれぞれに決断します。

どこで生きるのか、自分はなにをすべきなのか。


そう最後は自分で決めなくてはならないのです。


子リスたちの姿は、子どもから大人へ成長する人間の姿にも重なります。


いずれ、それぞれに違う生き方を選択するようになる。

その選択を応援したくなるのは、親目線のせいでしょうか。


子がもつ、生きようとする力、たくましさを感じる物語です。

ari sasaki