坊ちゃん


『坊ちゃん』

夏目漱石/作 森川成美/構成 優/絵(集英社みらい文庫)599円

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あの名作『坊ちゃん』を、現代の文体にアレンジした作品。


江戸っ子べらんべえ調の坊ちゃんが、四国の中学校へ赴き、

ひとくせも、ふたくせもある教師達や、手強い生徒達を相手に、

ひたすら、まっすぐ行動する様を描く。


まっすぐすぎるあまり、まわりの人に迷惑をかけることもあるけれど、

自分だけが得をしようとか、そんな気持ちがさっぱりないところが、

坊ちゃんの魅力となっている。


まじめで控えめな人が損をして、

ずるがしこく、権力を使える人が得をする。

そんなのは許せないと、きっぱりはっきり態度で示すのが爽快だ。


空気を読み、その場の雰囲気に合わせるのが良しとされる現代では、

坊ちゃんはさぞかし、生きにくいことだろう。


でも、やっぱり、私はこんなヒーローを求めてしまう。

たぶん、多くの人が坊ちゃんのように自分の気持ちにまっすぐに

生きてみたいと思っているのではないだろうか。


ここにこそ、坊ちゃんが名作として読み継がれる所以があるように思う。


本作は夏目漱石の文体、味わいを残しつつ、

違和感なく、すんなり読めるようにアレンジされている。


今どきの子にはもちろん、

かつて坊ちゃんを読んだことのある人にもおすすめだ。




ari sasaki