松なみ木はもどらない


『せんそうってなんだったの? 松なみ木はもどらない』

堀米薫/文 水野ぷりん/絵(学研 1500円+税)

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戦争を体験された方のお話をもとにした物語12巻シリーズのうちの3巻。

主人公は宮城県南部の農村に生まれた、はるこさんです。

松並木の下を歩いて、神社のお祭りにいくなど、村にはのどかな暮らしがありました。


しだいに戦争の色が濃くなっていき、紙や消しゴム、えんぴつ1本でさえも手に入りにくくなります。

松並木は飛行機の燃料にするために、切り倒されました。


子どもたちも勉強どころではなくなり、畑で働く時間が増えていきます。

でも、そうして一生懸命に作った作物も、「供出」として国に取り上げられ、

貧しい農村はますます貧しくなるいっぽうでした……。



戦時中、都会の人々は農家に買い出しに行ったと聞いていたので、

農村でも満足に食べられなかったという事実に、驚きました。


松並木が1本を残すだけで、なくなってしまった景色。

のどかな暮らしの象徴であった松並木がなくなることが、

戦時下の暮らしを象徴しています。


戦争はひたひたと忍びより、日々のつつましい暮らしを脅かすものなのでしょう。

しっかりと、心にとめておきたいと思います。












ari sasaki