ぼくたちの勇気

『心といのちを守る5つの童話 ぼくたちの勇気』

漆原智良/編著 進藤かおる/画 (国土社)1500円+税

9784337113015


本書は子どもたちの悩みを童話にして、問題提起します。

どのお話も、こんなことあったと、自分を重ねて感じる内容です。

そのうえで、どうしたらいいのか具体的に解説してあるので、参考になります。

学校の授業で活用するのに、また、親子で読んで話し合うのにとてもいい本だと思います。


①いのちを考える物語「はじめての握手」井嶋敦子/作

ささいなことで、友だちにケガをさせてしまった少年。

責められるのがつらくなり、衝動的に自殺を考えてしまう。

いっぽうで、心臓の病気をかかえ未熟児で生まれた弟の生きようとする姿に胸を打たれて……。

いのちのはかなさと、強さを感じる。


②体格差を考える物語「ウドちゃんとチョロくん」季巳明代/作

背の高い女の子と、背の低い男の子、それぞれのコンプレックスが描かれる。

成長期は人と自分のちがいが目につきやすいもの。

でも、短所だと思っていたことが長所にもなることもあると、教えてくれる。


③いじめを考える「ぼくたちの勇気」漆原智良/作

いじめられていることを大人にいえば、もっといじめられると思い、がまんしている少年。

自分もいじめられたくないと、見て見ないふりをしている子どもたち。

でも、勇気をもって先生に話したことで、解決に向かい……。

いじめの構造はクラス内にとどまらず、学校全体、地域にまでおよぶことがある。

子どもだけで解決できることではない。勇気をもって大人に話して……と、語りかける。


④持病を考える「みんなそろってキックオフ」かとうけいこ/作

花粉症で目がかゆくなり、鼻水がひどくなる少年。

みんなに迷惑をかけないよう、テストの時は席を一番後ろにしてもらうなど配慮している。

にもかかわらず、心ない言葉を投げかけられて……。

花粉症をはじめ、アレルギーや病気への理解と、互いを思いやる気持ちを育てるお話。


⑤不審者対策を考える「あいさつおじさん」高森優芽/作

友だちと公園に寄り道した女の子。

人のいないところで声をかけられ、車に連れ込まれそうになる。

そのとき、どう行動したらいいかが描かれる。


子どもたちは経験が少ないですから、こまる場面に遭遇したら、どうしたらいいのか、わからないのが普通です。

このように、よくあるエピソードを物語にして、具体的な解決方法を解説してあげたら、実践しやすくなるのではないかと思いました。


ari sasaki