おはなしの森2


『おはなしの森2』

「おはなしの森」の会 編 (神戸新聞総合出版センター)1500円+税


帯のキャッチは

「森にある21のものがたり。

あなたのお気に入りを見つけて下さい」


神戸新聞に連載された物語が季節ごとにまとめられている。

それぞれのお話はつるっと読める長さで、まるで味わいの異なるドロップのよう。

違う味を楽しみたくて、もう一粒、もう一粒と手をのばしてしまう。


中山みどりさん作「魔女のほうきは修理中」は、ほうきを修理に出した魔女が

外を飛べない分、家でできることをあれこれやっていくというストーリー。

そうだねー。

できないことを数えるより、今できることをやったほうがいいよね、と納得する。


国元アルカさん作「ぼくの絵本」は、なくしたと思った絵本が出てきて……。

物語を読む良さって、こういうことだと感じさせる展開だ。

現実が思うようにいかない時こそ、次の一歩を踏み出す勇気がもらえるかもしれない。

小さな子にも本を読む楽しさが伝わるだろうなーと、ほこほこした気持ちになった。


畑中弘子さん作「花ばたけ」は、引っ越し先での新たな出会いがテーマ。

引っ越したばかりだと、前住んでいた土地のことを思いだしてさみしくなりそうだが、

見回せば、新しい土地にも親しめる人やものとたくさん出会えると気づかせてくれる。


森くま堂さん作「おむすび・おにぎり大戦争」は、三角おむすびの国と、

まんまるおにぎりの国の対抗意識を表したもの。

コミカルな展開にくすくす笑ってしまう。

「悔し泣きに、塩味が流れ出してしまう者さえでるしまつ」には、うまい!と、ヒザを叩いた。

ただし、深読みすると、似たもの同士の争いというのが同じアジア内で争っている現実に重なったりして……。


白矢三恵さん作「おおきくなったら」は、大きくなったら何になりたいかという、

子どもの気持ちを描いた物語。

この子どもゴコロを表すというのが実はとても難しいのだが、

ストレートに表現されているところがすごい。

そうそう、こんな風にあこがれるものって変わっていくよねーと、共感しながら読む。

楽しいね、不安なんだねと、心の動きが手にとるように伝わり、最後はじーん。

親子で一緒に読んでほしい。


中住千春さん作「おまじないうさぎ」は、兄妹愛を描いた物語。

お兄ちゃんが風邪で寝込んでいる妹のために、雪うさぎを作って……。

やさしい気持ちはモノにも魂を宿らせるんだと、あたたかくなる。

体調が悪い時は不安が増すもの。

こんなやさしさが伝わってくると、心から元気になれそうだ。


うたかいずみさん作「つの一本」は、節分の日の物語。

男の子が豆まきをしていたら、かみなりの子が現れて……。

節分はよくお題に出され、多くの作品があるだけに、いざ書くとなるとむずかしいテーマだ。

新鮮だったのは、かみなりとおには違うという発想。

次がどうなるのか、わくわくして読み進むと、クイズが出てきて、うーんと考える。

これは子どもが喜ぶね。


いずれも低学年向きの物語で、朝読にぴったりだ。





ari sasaki