コスモス


『コスモス 二番目に好きなもの』

光丘真理/作(ジャイブ)567円

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子どもの頃はもちろん、いい大人になっても、器用に人を愛することなんてできない。

でも、器用であるより、不器用なほうが愛おしい。

そんな思いがふつふつと湧いてくる物語だ。


コスモスに登場する中学生も大人も、大事な人を失う経験をしている。失ったものは心の中で美しく輝き、時に執着に傾いてしまう。


死別、別離、失恋もまたしかり。

人間は新しいものを受け入れるのが苦手な生き物だと思うけど、少しずつなら受け入れていける。そうして容量を増やしていけば、きっと、大事に思える人も増えていくものなのだろう。

そう、コスモスの登場人物たちが教えてくれた。


彼女、彼らがあっちやこっちにぶつかりながらも前へ歩いていく姿に、過去の自分の傷を思い出したけれど、癒されもした。


孤独だと思っていた頃の私が、抱きしめられたみたい。欠けていた部分が満たされて、とても幸せな気持ちになれた。


蓋をしている思いがあるなら、ぜひこの本を読んでほしい。自分で作った柵から外に出ることができるかもしれないから。

ari sasaki