ゴールライン


『ゴールライン』

秋木真/作 ゴツボリュウジ/絵(岩崎書店)1365円

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小学6年生の和希は、高校生の美沙姉ちゃんの一言で、書道、野球、サッカー、水泳とやらされたきた。ようやく水泳から解放されたと思ったら、陸上をやれ、ときた。


和希は運動神経がよく、なんでもそこそこはこなすことができるのだが、それ以上、伸びないのが難点。他の子がじりじりと追い上げてくるのに耐えられずに、途中で辞めてしまうのがいつものパターンとなっていた。

クラスでは一番の速さを誇るが、県内でも有名な陸上クラブではそうはいかない。

しだいに走ることに意味を見いだせなくなり、気持ちが入らなくなっていく……。


目の前のことに気持ちが入らなくなる、ということは、いくつになってもあることだ。

勉強、習い事、仕事もそう。


どこかで「やらされている」という思いが湧くことで、逃げ越しになり、やる気もなくなる。果ては、思うようにいかないことを、人のせいにしてしまう、なんてこともあるはず。


さて、和希はこの思いをどう乗り越えて行くのか。

結論を言えば、あがいて、自分自身で答えを見いだしていくしかない。

やるもやらないも、自分しだい。

言い訳せずに、物事に向き合えるようになるには、自分で決着をつけるしかないのだろう。


リレーのメンバー、クラスメイト、和希の姉、それぞれが悩み、自分なりに向かう方向を見いだしていく様子がすがすがしい。

これから、たくさんの壁にぶちあたるであろう子どもたち、そして、目下、ぶちあたっている大人もこの本を読めば、目の前のことに体当たりする勇気がもらえるだろう。


ari sasaki