星空のした、君と手をつなぐ


『星空のした、君と手をつなぐ』

光丘真理/作(ジャイブ)630円

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自分の嫌なところばかりが目につき、好きになれないーー。

10代後半から20代にかけては自分自身の壁にぶち当たり、感情をコントロールするのに苦労することがしばしばある。

自分の能力や性格、人間性などを手探りで探しながら、社会に自分の居場所を見つけなければならない時期で、すべてが曖昧で混沌として見えるからだろう。


そんな多感な時期を、やさしく包むこむように描いたのが、このシリーズだ。

1作目は、母親を失い、心にあいた穴を埋められずにいたみかげが、ある母子と出会い、やがて家族となっていく様子が描かれる。血のつながらない兄となった同級生の瞬に反発しつつも、惹かれるようになる。


2作目では、進学した高校になじめずにいたみかげが、夏休みの間、瞬のいる京都へ行くことになる。そこで出会った女性に対して嫉妬したり、ねたんだり、ひけめを感じたり。マイナスの気持ちに振り回されてバランスを崩していくが、親友の支えで自分を立て直していく。


そして本作では、新しい命の誕生にとまどう友だちの間で、みかげと瞬も心をゆさぶられる。

恋の先にある性。そして、命の誕生。望まれない命にどう向き合うかなど、簡単には解決できない問題に、真正面から向き合う。


どれもテーマになっているのは、人と人との絆。

自分をまるごと包み込んでくれる人たちがいる。そのことに気づくことで自分を受け入れることができ、人を愛おしく思い、守りたいと思う強さが生まれる。


とかく、人から愛されることばかりを望みがちな私。

相手の顔色に一喜一憂し、本質が見えなくなっていた。

自分がどれだけ人を思いやれるか。

自分自身を満たし、人を幸せにするのは、きわめてシンプルなことなのだろうね、きっと。


ari sasaki