バスの女運転手


『バスの女運転手』

ヴァンサン・キュヴェリエ/作 キャンディス・アヤット/画

伏見操/訳(くもん出版)1050円


「あいつはくさい。おまけにブスだ」

の冒頭にまず、びっくり!


「ぼく」が毎日乗るバスの運転手は、男のようなおばさん。

タバコをふかし、口が悪く、ぶっきらぼう。


ある時、熱を出した「ぼく」はバスの中で寝入ってしまい、

終点まで乗ってしまう。

そこから、おばさんとのおかしな一日を送るはめになる。


この物語をいっしょに読んだ息子(小4)は、

おばさんの破天荒な行動にひきこまれ、大爆笑。

夜、寝る前の静かな読書のはずが、大興奮となってしまいました。


翌朝、起きた時にひと言。

「バスの女運転手の本は、おもしろいけど、奥が深いね」


そうなんです。

ちらちらと垣間見える、運転手の人生がせつなさをともなって、

迫ってくるんです。


児童書の範疇にはおさまらない物語。

大人が読むとなおのこと、おばさんの気持ちが染みることでしょう。


同シリーズの『よくいうよ、シャルル!』も、

やはり、後からじわじわとくるものがあります。


おもしろいけど、深い。


この感想に尽きる物語です。







ari sasaki