梶田隆章物語

『ニュートリノの謎を解いた 梶田隆章物語』

山本省三  (PHP研究所)1400円+税

kajita


私は宇宙のなぞについての解説を読むのが、大好きです。


というのも、確かに私たちはこの宇宙に存在していて、

宇宙の物質から生まれたはずなのに、実は宇宙のことをほとんどわかっていない。


しかも、宇宙のしくみは人智を超えていて、

優れた研究者が必死に追い求めているにも関わらず、なかなかその全容を見せてくれない、

というところに、どんなファンタジーよりも現実離れしたものを感じるからです。


そんな宇宙のなぞに挑む研究者のひとりである、梶田隆章さん。

ニュートリノの研究で、ノーベル物理学賞を受賞されました。


本書では、梶田さんがノーベル賞を受賞したときの華やかなシーンからはじまり、

梶田さんの生い立ちや、なぜこの研究に取り組むことになったのかなど、

梶田さんのこれまでを紐解きます。


ノーベル賞をとる人は、どこか超人的な人物のように思ってしまいますが、

梶田さんは恥ずかしがり屋で、目立つのが苦手な性分。

けれども、のんびりとマイペースな性分が結果として、研究に向いていた、というのです。


いま、学校でいまひとつ自分の個性を発揮できない子にとって、

なんと勇気を与えてくれる言葉でしょう。


さらに、梶田さんが興味を抱いた順を追って、

宇宙研究についての解説がなされます。


ニュートリノとはなんなのか。

ニュートリノをとらえる観測装置とは、どういうものなのか。

梶田さんの研究は、なにがすごいのか。


ぐいぐい惹き付けられました。


「それまで考えられていた宇宙のあり方が、根本からひっくり変える研究」


と聞いて、ええっ!?と思ったら、絶対にこの本を読むべき!


新しい世界のドアが開くような、知る喜びを感じられる一冊です。










ari sasaki