幸せを奏でる私の音楽


『幸せを奏でる私の音楽』

光丘真理/著 (佼成出版社)1575円

本書の主人公である夏衣さんは生まれつき左手の指が2本しかありません。

夏衣さんが生まれた時、ご両親は

「人間って、みんなどこかに障害を持っている生き物だからな」

「ありのままを受け止めて、ありのまま育てようね」

と、おおらかに夏衣さんを育てていきます。


おかげで夏衣さんはのびのびと、なんでも好きなことに挑戦します。

なかでも一番好きだったのが、ピアノを弾くこと。

夏衣さんには弾きたい曲がありました。

ショパンの『革命』です。

思うように弾けなくて、何度もくやしい思いを味わいながらも、

この曲を通して様々なことに気がついていきます。

やがて、夏衣さんは新たな取り組みを始め……。


本書で夏衣さんは音楽を通して自分自身を見つめ直しますが、

多くの人にとっても自分自身を受け止めることはそう簡単ではないでしょう。


人と比べて自分に足りないものを感じたり、

自分の嫌なところを感じて好きになれなかったり。


でも、自分をまるごと好きになれないと、

自分と似たところのある人や、

自分にはないものを持っている他者を

受け入れることもできないのではないでしょうか。


本書はそんな、

だれもがぶつかる「自らの壁」を越えていく物語でもあります。


夏衣さんの前向きな姿に励まされ、

お父さんとお母さんの深い愛情に癒され、

読後、私も「私らしくやっていこう!」という気持ちになれました。


自信を失いかけた時、あるいは子育てに迷いが出た時に、

また本書を開いてみようと思います。






ari sasaki