はしれディーゼルきかんしゃデーデ 


『はしれ ディーゼルきかんしゃ デーデ』

すとうあさえ/文 鈴木まもる/絵(童心社)1400円

9784494025619


2011年3月11日。東日本大震災が起きました。

罹災地の電気は止まり、電車も動くことができません。

燃料がなくなり、避難所にくらす人々は寒さに凍えました。


そんな時、活躍したのがディーゼル機関車だったのです。


電車の活躍で働く場所が少なくなり、山口県で余生を送るようにセメントを運ぶ仕事をしていたディーゼル機関車が、かつて働いていた磐越西線を走ることになりました。


本書は、ディーゼル機関車の目線で描かれます。

走り始めてすぐ、機関車は「へんだ。なにか、へんだぞ……」と、感じます。


雪がふきつける中、ディーゼル機関車は不安と戦いながら、必死に走ります。


「はしらなくちゃ。はしらなくちゃ」


このセリフに、胸が詰まりました。

ディーゼル機関車の気持ちは、あの時の多くの人々の気持ちそのものです。


どんな時でも、自分のできること、やるべきことをしっかりやる。

そうして動いている人がいるという心強さ、ありがたさ。


だれかのためにと思うのであれば、

それぞれがやるべきことをやることが大事なのでしょう。


読む者に勇気をくれる物語です。


ari sasaki